6月の新作フレンチコースは、夏の旬素材やゴージャス素材を使いながらも、コースとして味覚的にも栄養的にも全体のバランスがとれた、魅惑的なフルコースでした。暑いので、イタリアのとてもドライな泡「プロセッコ」をキリリと冷やしたものででマリアージュ。
前菜1つ目は「雲丹のフラン ローズマリーの香る泡を載せて」

今が旬の北海道バフン雲丹。
そのままでも美味しいですが、フラン仕立てにすると、雲丹が苦手な方でも「美味しい!」と感動するお味になります。極力シンプルな調理法ながら、完成されたレシピでご紹介しております。フランは洋風茶碗蒸しのことですが、この前菜は単なる茶碗蒸しでなく、とろけるような仕上がりになっています。「美味しいから、もっと食べたい!って思うけれども、この量くらいがちょうどよいのかもしれませんね」そうですよ~。めちゃくちゃ美味しくで贅沢リッチなものは、少量をめでるように、大事に味わってくださいね。その方が、美味しさの印象が鮮烈に記憶に残るものです。泡、生雲丹、フランがお口のなかで溶けあい、濃厚かつ上品な味で舌と心をとろけさせてくれます。
前菜2つ目は「すずきのポワレ 夏野菜のラヴィゴットソース」

旬のすずきのポワレの下のソースはラヴィゴットソース。フランス語のravigoter(元気にさせる)が名前の由来となっている、ヴィネグレットソースをベースにしたものです。私なりのアレンジで夏野菜をたっぷり入れました。さっぱりと、ヘルシーに夏らしくいただける1品です。このソースは、とても重宝なもので、いろいろなものに使えます。ソースだけで食べても美味しいのですが、魚や帆立のポワレの他にも、青魚の唐揚げや、いわしの白ワイン蒸しなどにも合うし、サラダにかけても美味しい。温かいものにも、冷たいものにも合います。こういう使いまわしのきくソースって生徒さんはとても喜ばれます。ポワレは皮をパリッと仕上げます。前菜というよりも、メインのような1品。
メイン料理は「鴨の低温調理 マデラソース」

鴨はエリゼ独自のやり方で、家庭にあるものを使って真空低温調理にしたものを、最後皮をパリッと焼いたものです。中はちょうどよいロゼに仕上がっています。ソースはマデラ酒、エシャロット、フォンドボーを煮詰めたマデラソース。ジビエや鴨に向いたソースです。ポルトガルの甘い食後酒のマデラ酒を使用した、エッセンスのようなソースですよ。「今日も完璧」「鴨がちょうどよい柔らかさ」「ソースが美味しい」の声があがりました。決して難しくはないので、おうちでもフレンチ楽しんでくださいね。ソースをたっぷりまとわせて召し上がれ。じゃがいもやキノコのガルニチュールで周りをかわいらしく取り囲みました。澄ましバターで仕上げたじゃがいもがまた、合うんですよね。
デザートは「パイナップルとココナツの夏パフェ」

「夏が凝縮されたようなデザートですね」と生徒さん。はい、それをイメージして創作したデザートなんですよ。パイナップルは生で食べるとキュンとなる感じが苦手、という方が多いのですが、シャーベットにしますと、まったくそういうところがなくなり、美味しさが凝縮されています。そのパインシャーベットを一番下において、真ん中にアロエのシロップ漬け、その上にココナツアイスクリームを載せました。ココナツパウダーから抽出した味と香りが凝縮した、滑らかな手作りアイスクリームに、バナナチップとミントの葉をトッピングしました。ココナツアイスクリームとパインシャーベットが合うんですよね、これが。真ん中辺の混じり合ったところなど、本当に美味です。「美味しい」「さっぱりしている」「ココナツとパインって合うんですね~」と皆様満足そう。今回も別腹でデザートまでぺろり。お口がさっぱりするので、その後にいただくネスプレッソのコーヒーが美味しく感じられます。
お腹いっぱい、質のよい美味しいもので満たされると、自然と微笑みますよね。幸せな気分とレシピをお持ち帰りいただいて、私もとっても幸せ。生徒の皆様から、創作意欲と幸せをいただいていることに、感謝です。
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