久々に感動するお料理をいただきました。ミシュラン2つ星の「龍吟」では、非常に洗練され、伝統に裏打ちされながらも、進化した日本料理を堪能させてくれます。なぜ3つ星でないのか私には不思議。個人的意見ですが、私が今までに行った日本料理のお店のベスト3に入るといっても過言ではありません。
料理・インテリア・テーブルウェアにいたるまで、完璧な美意識が貫かれ、プロとはかくあるべきというものを具現化していると思います。シェフのプロ意識には尊敬の念を禁じえません。これでもプロかしらというお店は結構ありますからね・・・。
すみずみまで美意識が浸透しているお料理は、味・盛り付け・お皿がパーフェクト。外でお食事するというのはこうでなくちゃ、という私が求めるものをちんとやってくれていて気分が高揚します。
昨年改装したという店内は、龍を描いた景徳鎮の大皿が壁のそこかしこに飾られ、和紙や竹とともに、高級中華とモダンジャパニーズを融合したような雰囲気を醸し出しています。
テーブルクロスは黒。その上には龍をモチーフとした西陣織のテーブルランナーが敷かれています。
お料理はひとつひとつ趣味のよい選び抜かれた器に盛られ、アンダープレートとともに運ばれます。そのアンダープレートには霧吹きがかけられ、それはお料理をいきいきと美味しそうに見せるためだそうです。この細かい気配り!
お料理はお任せコースのみ。アラカルトは9時以降の来店なら可だそうです。
テーブル席と2~4人の個室が1つあり、今回は個室でいただきました。サービスの方も料理についてよくわかっていて質問にもきちんと答えられるし、にこやかにサービスしてくれます。
私たちがいただいたのは「霜月の御献立」。
生うにとかぶのすり流しなどの突き出しの後にでてきたのは、
シェフ山本のスぺシャリテ「北海道産”極上あん肝”の”ヌタ和え”

素材のあん肝のフレッシュなこと。そしてあまりヌタ和えは好きではなかったのに、このヌタは非常に美味しい。
初めてヌタ和えって美味しいと思いました。
次は「秋野菜尽くしの熱々あんかけ仕立て 柔らかな”煮アワビ”とともに」

6時間煮たというアワビは非常に柔らかかったです。
さらに注文が入ってから鰹を削るという「引き立て一番出汁への想い 炭火であぶった”甘鯛”と”揚玉子豆腐” 香り野菜をそっと被せて」

京都の白甘鯛は非常に上品なお味。しみじみと美味しい出しに、香り野菜がよいアクセントとなりいいバランスです。
次に出てきたお造りもタダモノではなく、「徳島県産”鳴門鯛”と藁で燻した”戻り鰹”の土佐造り 洗い海苔を添えて」で、単に活きの良い素材を綺麗に切って並べるだけではなく、燻すことによってとても美味しくなっていました。
続いて「秋刀魚・秋茄子・栗・銀杏を”龍吟スタイルで」で上品な秋刀魚を味わい、

「焼き松茸の入った贅沢な”白子茶碗蒸し” 柚子の香りと共に」で贅沢素材の饗宴を楽しみ、

「シェフ山本のスぺシャリテ 全国各地より送られてくる”天然大鰻”の炭火焼 ”ジンジャーオレンジを添えて」では、琵琶湖の天然大鰻をじゃりっと焼いた今まで食べたことのない触感の鰻をいただきました。柔らかい鰻を食べつけている人にはちょっとびっくりかも。好き好きは分かれるかもしれません。私にとっては新鮮な味覚で、天然の鰻の生命力を感じます。

シメは「”松茸ご飯”と岩手産”黒毛和牛”の炭火焼 ”芝海老出汁”の赤出汁と供に」

お茶碗の底辺にちょっとの松茸ご飯に、お腹いっぱいにもかかわらず「これだけ~?」と思いましたが、それには訳がちゃんとありました。この後さらに、じゃこご飯、大納言あずきの鯛赤飯、冷たいお蕎麦、温かいお蕎麦から、好きなものをセレクトできるのです。もちろん、ちょっとずつ、全品お願いいたしました。どれもほんのちょっぴりですが、逆に有り難く、美味しくいただきました。ちょっとにしてくれなかったら、全部試すのは無理ですから。驚いたのが、お蕎麦のレベルが高いこと。わざわざ食べに行きたいお蕎麦やさんのお蕎麦の味なのです。冷たいのも温かいのも。お蕎麦は自家製なのかしら。聞き忘れました。


その後、「キンモクセイ香る蜜柑のシャーベット ”幸水梨”を合わせて」「熱々仕立ての龍吟パフェ第十作 ”無花果果”と"蘇」のデザート2品を別腹でいただき、抹茶を飲み、めくるめく美食の夜は終わったのでした・・・。
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